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花咲か日記

2010年11月 5日

ハクチョウの子

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鳥のように大空を飛びたい。子供の頃 風呂敷を首に巻き、ちょっと高めの塀の上から飛び降りた経験‥誰でも1度はあるんじゃないでしょうか。

風呂敷の効果はゼロ。真下にストンと落ちてしまい、夢見る子供は現実の厳しさを知ることとなります。

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飛んでいる野鳥は一様に美しく、見ている者の心を捉えて離しません。

なかでもハクチョウの飛翔の姿は、優雅そのものです。

長都沼の飛べなくなったオオハクチョウも、かつて遠方からの長旅を終えてやって来ました。

そして今、彼らのもとには仲間が次々に飛来してきています。

ハクチョウの群れは沼の近くの農地に餌を求めて飛び立ち、夜には沼に戻って羽を休めます。

先日餌をついばむその群れの中に、足を引きずっているオオハクチョウを見つけました。マガンの代わりに3羽目のオオハクチョウが現れたと喜んでいましたが、どうやら仲間と合流したようです。

 

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とうとう飛べない2羽だけになってしまったか‥と思いながら水路に近づくと、

なんとオオハクチョウのすぐそばには、新たな2羽のハクチョウの姿が‥。

 

まだ小さなそのハクチョウの子。1羽は疲れ切ってうずくまっていました。どうやら左の羽も少し傷んでいるようです。多分兄弟なのでしょう。元気なもう1羽が、労わるような視線を向けていました。

飛べないオオハクチョウは、すぐそばで黙って見守っているように見えました。そうか‥。マガンの子を守ってくれたオオハクチョウ。今度はハクチョウの子を育ててくれるのかもしれない。 

 

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2日後、同じ場所に‥いました!いました!うずくまっていた子は少し元気になったようで、立ち上がってあのオオハクチョウのすぐそばに寄り添っています。まるで新しい家族ができたようです。

もう1羽のハクチョウの子は、そばの水路を泳いでいましたが、やがて小さな鳴き声を上げながら飛び立って行きました。羽を傷めたハクチョウの子はその事を気にする様子もなく、2羽のオオハクチョウと共に餌をついばんでいます。

「飛んで行ってしまった子、またここに戻ってくるのかなぁ‥。」そんなことをぼんやりと考えていたら、なんといつの間にか対岸にキタキツネが!キツネは、3羽のハクチョウをじっと見ています。「うわぁ~、嫌な雰囲気。」

キツネに気付いたオオハクチョウも、緊張した面持ちで様子を窺っています。幼いハクチョウはまだ警戒心が無いのか、キツネには無関心のようです。ホントにまだ小さい子なんだ‥。

「キツネ~!ダメだぞ。ハクチョウのそばに来ないでよ~!」

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‥でも翌日、いつもの場所にハクチョウの姿はありませんでした。

そこに居たのは数羽のカラスでした。そのうちの1羽が、羽のついた肉片をくわえていました。その羽は美しいグレーをしていて、あの幼いハクチョウの子のもののように思えました。

あどけない、まだ小さな命。遠くシベリアから渡って来たこの子の命が、他の生き物のの命を支えた‥ということなのでしょうか。

それでもオオハクチョウのすぐそばに立っていた小さな子を想うと、どうしても悲しくなってしまうのです。(涙)

残った2羽のオオハクチョウが、どうかどうか無事に冬を越すことができますように‥。

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コメント

辛いです..悲しいです..自然の営みは時に残酷に見えるものですね。  でも意味もあるのだと思います。   

ううぅ、、つらい自然の厳しさです、、
神は無駄なことはしない、、としんじて、、

テレビのドキュメンタリーでも カメラマンが助けてあげればいいのに、、と言うシーンがありますが
自然に任せるのが 「正しい 生き方」なのでしょう、、

おまささん、今日は!八ヶ岳の山栗です。

狐が犯人か、と思いきや、犯人はカラスでしたか。カラス、ハシブトガラスか何カラスでしょう、獰猛というか、何でも食べるというか、どうしようもなく繁殖していますね。
ゴミを出す日には、朝からカアカアと鳴き合って情報交換していますよ。これも、ひとえに人間のせいだとか。カラスの繁殖を止めるいい方法はないのでしょうかね。

白鳥の飛翔する姿の美しさ、素敵ですね。

美しい写真と優しい文章に涙。
かわいいとか、かわいそうとか言うのは人間の思い込みかもしれませんが…。自然の厳しさや美しさを見て自分の生き方を考えなくてはと思う日々です。素敵なブログに感謝です。

KazuKazu 様

お返事が遅くなってしまって すみませんでした。

KazuKazu さんの仰るとおりだと思います。
自然の営みに無駄はありません。
かけがえのない命は、他の生き物の命をつないだのですものね‥。

カタナンケ様

お返事がすっかり遅くなってしまいました。
すみませんでした。

自然は本当に厳しいです。
同時にとても美しく、崇高です。
私達にできることは、それを見守ることだけかもしれませんね。
でも‥長年母親をやっていると、幼い生き物につい肩入れしてしまう‥。
母性本能って、そういうものなのかなぁ‥。

山栗様

お返事が遅くなってしまい、申しわけありませんでした。

そしてカラスの件、説明不足でした。再び すみません。
犯人は誰か分からないのです。

死肉をあさっていたのはカラスですが、
ハクチョウを襲ったのはキタキツネかもしれません。
ちなみにカラス‥あまりのことに気が動転して、
くちばしの大きさは覚えていません。
ハシボソかハシブトか、どっちだったかなぁ‥。

本当にカラスは獰猛ですよね。
猛禽のオオワシにだってオジロワシにだって向かって行きます。
弱った生き物などは絶好のターゲット。
どうもカラスだけは好きになれません。

ハクチョウは美しい野鳥です。
珍しい鳥ではありませんが、大好きな野鳥です。
山栗さんのお宅の、ヤマガラやゴジュウカラも好きですよ。

はるまま様

かわいいとか、かわいそうとか思う気持ちは大切だと思います。
それが全てになっては問題ありですが、
弱者に共感する心や思いやる気持ちは
人としてなくてはならないものかもしれません。
そして、私も日々反省の毎日です!

拙いブログなのに、見てくださってありがとうございます。
励みになります ♪

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